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『焼きたてがいちばん、クイックブレッド』

 藤田千秋本人による本の解説ページです。

焼きたてがいちばん、クイックブレッド 『焼きたてがいちばん、クイックブレッド』藤田千秋著:文化出版局 2003/12
・・・・・・・・    ・・・・・・・・ 撮影         : 竹内章雄 さん
スタイリング     : 池永陽子 さん
AD・デザイン    : 鷲巣 隆 さん
編集         : 春日井富喜さん
Chiaki 
幸運にも文化出版局から3冊目のパンの本を出版することができました。
今回はパンと言っても「クイックブレッド」です。

●クイックブレッドとは・・・●
イーストなどの酵母を使って時間をかけ、発酵させる通常のパンと違い、主にベーキングパウダーの力を借りて生地をふわっとふくらませるもので、通常のパンとのいちばんの違いは、生地を作ったらすぐに焼くこと・・・
だからクイックなんですね。

●私の本のクイックブレッド●
スコーンやアイリッシュブレッド、マフィンやバナナブレッドやキャロットブレッドなど。
ただしあくまでもケーキではなく、「クイックブレッド」ですからいつでも食べていただけるよう、甘さやバターなど油の分量は控えめです。
(たぶんお菓子の先生が書かれたレシピは、スコーンもマフィンもちょっとおやつ向きでお菓子に近いものが多いのではないかと思います。)

まったくの初心者だけどもぜひパンを焼いてみたい方、どうしても朝ごはんに焼きたてのパンを食べたいと思う方、そして普段は本格的なパンを焼いている方でも(たぶん本格的なパンの発酵時間にクイックブレッド2種類は作れます)、どなたにもいろんな場面で楽しんでいただけるかと思います。

●竹内さん、池永さんに感謝●
もうひとつ、今までの2冊の本との大きな違いは、カメラマンさんとスタイリストさんがスタッフとして加わったこと(というかそれが普通なんですけど今までの2冊はすべて自前でしたから)。
いつも場を和ませてくれて素敵な写真を撮って下さる竹内章雄さん、さらっとシンプルにセンス良くスタイリングして下さった池水陽子さんのお二人のおかげで、今までとはまったく違う雰囲気にできあがりました。

●中でもおすすめのクイックブレッドは●

・カッテージチーズ(裏ごしタイプ)とじゃがいもを使ったパンは、どれもおすすめですが中でもいちばん最初の「カッテージチーズブレッド」、「はちみつロール」(とてもかわいくできあがります)、じゃがいもをすりおろして加えるのでとても簡単にできる「ポテトブレッド」は、食事にぴったりです。

・ 「バナナブレッド」・・・バナナは大好き!昔々、いちばん初めに興味を持ったお菓子は、森村桂さんのエッセイにでてくるバナナケーキでした。それからいっぱいバナナケーキは焼いてきましたが、大好きなのでたくさん食べたい・・・でもバターたっぷりのケーキタイプではちょっとね。
今回、ご紹介するのは砂糖やバターは少なめですが、バナナ本来の甘さが感じられてほんのりした甘さがおいしい。おまけに強力粉を配合しているのでまさにブレッド。スライスしてトーストしバターを添えてもおいしく食べられます。バナナは香りが良くて充分に熟したものを使って下さい。

・ 「黒ビールのブレッド」・・・いわゆるフルーツケーキというのがあまり好みではないのですが(ドライフルーツは好きですが)、黒ビール入りはビールの苦みと独特のこくとフルーツの甘さが重なって後をひくおいしさです。
フルーツをビールに漬けてさえおけば生地を作るのに10分かかりません。
黒ビールはもし手に入ればギネスビールを使ってみて下さい。深みがあっておいしくできあがります。ちょっと大人のブレッドです。

・ 「コーンブレッド」、「トマトブレッド」「、いちじくマフィン」などもおすすめ。<野菜と果物のパン>の中のブレッド類はうちに素材があるな・・・と思ったらぜひいろいろ試してみて下さい。

・ 「オーツビスケット」・・・甘みの中に塩味がきいていておいしいです。
イギリスでいろんなオーツビスケットを試して、それを頼りに試作を繰り返しました。

・ 「グラハムビスケット」・・・たぶん本の中でいちばん簡単かも。かじりだすと止まらない、私の天敵です。
本では厚めに焼いていますが薄くのばしてかりっと焼き上げるのもおすすめです。

・「きな粉の揚げパン」・・・きなこ好きにはたまりません。揚げると層になってむくむくふくらみます。思い出すと無性に食べたくなってしまう。グラハムビスケットにまけない私の天敵!