『発酵いらずのクイック・パン』
藤田千秋本人による本の解説ページです。
『発酵いらずのクイック・パン』藤田千秋著:講談社 2005/9 | |
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構成・文 : 杉本正子さん 装幀 : 茂木隆行さん スタイリング : 大畑純子さん 撮影 : 青砥茂樹さん 編集担当 : 柳沢正広さん |
Chiaki | |
前回、クイックブレッドの本(文化出版局刊)を出版したことから、ますます発酵させないタイプのパンに惹かれていました。そんな時(2004年5月)にアイルランドへ行けることになり、現地でなにげなく焼かれているブラウンソーダブレッドやスコーンなどをいただいて、日本の粉との差に愕然。アイルランドの粉で焼いたソーダブレッドやスコーンはふんわりおいしいのです(もちろん発酵させたものとは違いますが)。 旅先で出会ったパンを思い出しつつ試作し、前回の本に加えて新たに考えたのが今回の本です。前回とはまたちがったタイプのソーダブレッドなど紹介しています。 アイルランドで食べられるソーダブレッドには全粒粉を使った茶色のブラウンソーダブレッドと精製した粉を使ったホワイトソーダブレッドがありますが、私が目にしたものはすべてがブラウンでした。ブラウンの方の粉には粗挽きの全粒粉(グラハム粉)が入ったりオートミールが入ったりいろいろです。 本のいちばん最初で紹介したグラハムブレッドはアイルランドで食べたブラウンソーダブレッドのイメージです。 ソーダブレッド類は本当に簡単にできて、いろんなバリエーションが考えられます。 Part1ではそんなパンを紹介しています。 Part1以外もほとんどが、どんどん材料を合わせていくだけのシンプルなレシピばかり。お菓子とは違うぞ!という気持ちで粉や素材の味を生かし、甘みや油分は抑えめです。 砂糖やバターなどの油分が少ないとどうしてもぱさつきがちですが、そのあたりはカッテージチーズや野菜・果物を使うことによってなるべくしっとりできるように考えました。 ●私のおきにいりベストテン(順不動です)● ・ グラハムブレッド (Part1のパンはほとんどのものが出来立てより半日以上たった方が生地が落ち着き、BPの味も気にならなくなっておいしいと思います) ・ からす麦のくるみパン (オートミールをあらかじめ水分でしとらせてから作るのでしっとりできます) ・ とうもろこしパン (Part1の中でこれだけはやっぱり焼きたてがおすすめ) ・ 黒ごまパン ・ フルーツ紅茶パン (めちゃくちゃ簡単なのに深みのある味わいです。紅茶の香りにワインや黒ビールでを使ってもおすすめ。) ・ バナナくるみパン (個人的にバナナが大好きなのでやっぱりベストテン入り・・・) ・ ゆであずきパン (見た目もかわいい!甘くない小豆を使うので意外と甘さ控えめ) ・ 玉ねぎパン (ベストスリーには入ります。ぜひお試しを!) ・ 雑穀バー (しっかりしたかみごたえで食感も味わいも最高です。) ・ チョコオーツビスケット (チョコ入りだけど甘さはかなり控えめ。大人のビスケットです) |