『もっちり、しっとり米粉パン』
藤田千秋本人による本の解説ページです。
『もっちり、しっとり米粉パン』藤田千秋著:文化出版局 2006/4 | |
・・・・・・・・ ・・・・・・・・ |
撮影 : 広瀬貴子さん ブックデザイン : 茂木隆行さん スタイリング : 池水陽子さん 構成/文 : 杉本正子さん |
Chiaki | |
はじめて編集の方に米粉パンのお話をお聞きしたのはいつだったか・・・ ずいぶん前に、冨沢商店で<パン用米粉>というのを見つけて購入し、普通のパンと同じに作ってみたことがあります。そしてみごと失敗!(本来、米粉パンの発酵は1回だけが正解ですが、その時は普通に2回発酵させたので・・・) そのあと、いろいろパン用米粉のことを調べ、何度も試作して本の出版となりました。 パン用米粉に関して・・・ パン用米粉についての説明は本にもありますが、 今回使った片山製粉のパン用の米粉は粉砕&製粉した米の粉にグルテンなどを添加したもので、リ・ファリーヌとは違います。(リ・ファリーヌは簡単に言うと上新粉を、より細かくしてお菓子作りに適するようにしたものの商品名です) 米粉にはパンに必要なグルテンが含まれないのでどうしてもミックス粉になるわけです。ただし、砂糖や塩等は入っていないので小麦粉と同じに砂糖、塩、イースト、油脂、水分などを加えて作ります。 米粉パンの特徴は・・・ 米粉はたっぷり水分を吸います。水分が多いので表面は固く焼き上がりますが、そのこともあって中に水分が残り、もっちりと焼けるのです。本当におもちみたいなパンです。ちょっとポンデケージョに似てもいますが、タピオカでんぷんで作るポンデケージョは「スナック」、そしてこちらのはやはり「パン」なんですね・・・。 パンを作る上での大きな特徴は・・・この辺、内容はすでにのっているものと重複するかもしれません 1.発酵が1回、ということ。 パン用米粉はグルテンを添加してあるのですが、何度も<ガス抜き>→<発酵>を繰り返すことに耐えられないようなのです、(小麦粉なら、この作業を繰り返すことによって、よりおいしくなるし、もちろん焼くとちゃんとふくらみます)。 ということで、米粉パンの場合、発酵は1回。こねたらすぐに成形です。 2.はじめは失敗?と思うくらい、水分が多いです。粉が水分を吸うにつれ、だんだん固くなるので、それを見越して加えなければいけません。製粉会社や商品によってはちょうどいい水分量に違いがあるかもしれませんが、まずは本を参考に作ってみて、結果かたかったり柔らかかったりするようなら次回に調整して下さい。 3.まだガスを含まない生地なので成形する時に粘土感覚でできてしまうのもいいところです。 4.べたつく小麦粉の生地にくらべるとさらっとして(?)とても扱いやすい記事であることも特徴。パン初心者の方は手にべたべたくっつくとどうしていいかわからなくなるのでは?と思いますが白玉だんごを作るときみたいな生地ですから道具の後始末も楽です。 注意/本では粉が150gと少ないので計量は慎重にする必要がありますので、ご注意を。もちろん倍量で作られてもかまいませんし、行程は同じです。 ご紹介しているパン用米粉にはプレーンなタイプと玄米のタイプがあり、私は香ばしい玄米のが好き。 本の中でのおすすめは ・ きな粉揚げパン ・ カボチャパン ・ フライパンで焼くおやき(フォカッチャのアレンジでのせていますが、好きな生地〜たとえばカボチャ入りとか〜をフライパンで焼いてみるのもいいですね 蒸しパンも時間が経ってもしっとりでおすすめです。 和風のお料理にもぴったりですので、どうぞ気軽にお試しください。 粉の入手先 クオカ 片山製粉 冨沢商店(現在は扱いを休まれていますが、また再開予定とのこと。直接、お問い合わせください) |